床をどうする

amanafu(あまなふ)

2016年11月11日 21:02

Yさんの床は新建材で、夏場など汗でぺたぺたと足跡が付くのだとか。
それが嫌でたまらなく、何とかしたいと以前に地元の大きなリフォーム会社に相談したのだとか。
まだ新しくきれいな床なので、張替えではなく、防塵ワックス処理での解決方法を提案されたそうです。
他の悩み事である玄関が暗くて狭いの解決策として、玄関脇に室内開口部を開け、
玄関正面の階段の手すりを取り払いバーのみにする案を提示され、その総額が70万ほど。
Yさんは工事内容と金額のバランスに納得がいかず、改装工事はストップしていました。

この会社の失敗は、Yさんの希望を計りそこなった事だと思います。
Yさんの本音は天然材の床にしたかったのだと思います。
確かにまだ新しい床を張り替えるのはもったいない話です。
しかし、気にいらないのなら我慢せずに思い切りも必要なのです。
又、玄関の改装案もあまり魅力的とはいえません。

床材を変更する方法としては、既存の床を撤去して張りかえる方法と、
既存の上から直張りする方法があります。
後者の方法だと施工も簡単で、費用も安く出来ます。
ただ床材の厚さ分床が若干高くなるわけで、室内外に支障が生じる可能性もあります。
床の一部だけ張り替える場合には若干の段差も生じます。
Yさんには後者の方法をお勧めしました。

さて、床材を何にするか?
Yさんはどこかで見たメープル材に魅力を感じていました。
しかし、メープル材は希少で高価です。
又、パイン材も好みでした。
ただ、パイン材は柔らかく、室内犬を飼い始めたので床が傷つく可能性があります。



この頃私が仕事をもらっている設計事務所が設計した家の内覧会があり、
参考の為にYさんをお連れしました。
床材はスギで、これもなかなか良かったのですが、Yさんには日本的すぎて好みではなかったようです。
この設計事務所は木材屋が前身の建設会社と懇意でどの床材も用意は可能でした。
Yさんは設計家とじっくり話し、ここに依頼してもいいと思ったようです。
これは私としても願ったりな話でした。
工事内容がだんだん大きくなってきて、無償の範囲を越えてきていたので、
この設計事務所関係のところで工事をしてくれれば、報酬がもらいやすかったからです。
ということで、この時点で正式な仕事になったのです。

床材を決めるために設計事務所から見本を見せてもらったり、
建材市場などまで現物を見せる為にお連れしたりしました。
犬の事を考えると硬い材がいいのですが、Yさんは白っぽいものが好みなのです。
白系は柔らかい材が多いです。
Yさんは、なかなか決めかねていました。
そこで私は、傷は付いたら補修すると割り切って、安価で好みのパイン材にしたらどうでしょうか?
と提案しました。
時には背中を押してあげる事も必要です。
パイン床に決定。

   *写真は上から、メープル材、カバ(バーチ)材、パイン材、ナラ材です。

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